目指すのは面白いコンテンツを生み出し続ける人

平田 治郎 Jiro HIrata

2018年入社 クライアントワーク事業部 ディレクター

ウェルプレイド・ライゼスト(以下、WPRZT)でディレクターを務める、ちゃんじろさんにインタビュー。ゲームとは無縁の業界からキャリアをスタートさせた彼が、なぜウェルプレイドへの入社を決めたのか。eスポーツに携わるきっかけとなった原体験のエピソードとともに、このシーンでの仕事にかける想いを聞いていきます。

ディレクターとして、イベントや番組の制作を取り仕切る

――まず最初に、現在の仕事内容について教えてください。

ディレクターとして、イベントや番組の制作を取り仕切る役割を担っています。僕個人としては、規模が大きな案件やIPタイトルの案件を任されることが多いですね。

ディレクターの業務は、準備段階と本番当日で異なります。準備段階ではやりたいことを膨らませつつ、それを実現するためにさまざまな課題を解決し、必要なものをしっかりと用意していきます。

本番当日は、いろいろな情報を見ながら、カメラ映像やゲーム画面の切り替え、テロップの表示や、音楽を変えるタイミングなどを指示。現場の指揮をとり、放送上の画面や音声に責任を持つのが仕事になります。

『LoL』と出会い、紆余曲折を経てウェルプレイドへ

――これまでの主な経歴を教えてください。

まずは、2009年に新卒で鉄道会社に入りました。不動産部門に配属され、賃貸物件の管理を3年、賃貸物件の開発を2年、不動産部門の予算や中期経営計画の策定を2年。トータルでおよそ7年、その会社で働きました。

その会社にいた頃、出会ったのが『League of Legends』(以下、LoL)というゲームです。ものすごくハマって、仕事中と寝る時間以外ずっと『LoL』のことを考えていたほど。しばらくして競技シーンにも興味を持ち、2015年に大会を見に行ったことをきっかけに、eスポーツに携わる仕事をしたいと思うようになりました。

2016年、2社目に入ったのはモバイルゲームのベンチャー企業。その会社には総務として入社し、いわゆる庶務業務に加えて、会社が上場したタイミングだったので、IRや株式に関する業務などをしていました。ただ、その会社ではあまりバリューを出せている実感がなく、振り返ると精神的につらい日々だったなあと思います。

そうした中で、2017年には『LoL』のアマチュア社会人リーグを運営する「LNS」という団体に入ります。そこで大会をつくっって配信をする活動がとにかく楽しくて、苦戦している仕事とのバランスを取って、生きがいになっている感覚がありました。

ところが、2017年秋に病気で入院してしまって。ちょうどその時、開催されていた『LoL』の世界大会「World Championship」(Worlds)を病院で見ながら、やっぱりこれをやるしかないと思ったんです。人生いつどうなるかわからないから、好きなことにチャレンジすべきだと。そして、その半年後の2018年5月に、ウェルプレイドへ入社しました。

真剣にゲームに取り組む人が、もっと報われる社会に

――eスポーツを仕事にしたいと思ったきっかけについて、くわしく教えてください。
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2015年に僕が見に行ったのは、秋葉原ベルサールで開催された『LoL』の国内プロリーグ「League of Legends Japan League」(以下、LJL)の決勝大会「LJL 2015 Season1 Final」でした。

その大会では、試合後に両チームのマネージャーへのインタビューが行われて、負けたチームのマネージャーが、声を震わせながら「絶対に来年は勝ちます」と宣言したんです。それを聞いた時、彼らがどれだけ本気でやってきたのかが伝わって、心の底から感動しました。

ただ、来年も頑張ってほしいと思うと同時に感じたのは、彼らがまた1年間頑張ることの厳しさ。当時、まだeスポーツという言葉が浸透していない状況で、何も後ろ盾がないまま頑張らなければいけない彼らの境遇を考えれば、かなりのリスクを背負っていることは明らかでした。

それに対して、「どうにかしなければ」というモヤモヤとした気持ちを抱え、真剣にゲームに取り組む人たちが、もっと報われる社会になってほしいと考えるようになりました。それが、eスポーツに携わる仕事をしたいと思うようになったきっかけです。

「同じ気持ちを持って働くならここだ」と確信した

――eスポーツに携わる会社の中でも、ウェルプレイドに決めた理由を教えてください。

一言で言えば、フィーリングですね。ウェルプレイドの2次面接で谷田さんと話したとき、熱量が共鳴したんです。熱の向かう方向や量、その感覚がお互いにすごく近いことを感じて、話しながら泣きそうになったくらい。

その時点で、「同じ気持ちを持って働くならここだ」と、自分の中では確信していました。そして、あと2回の面談に進んで、その中でも自分のやってきたことを肯定してもらえて、素直に嬉しかったことを覚えています。

1社目の会社にいたとき、周囲に自分の好きなゲームやeスポーツを理解してもらえない疎外感があり、2社目に行ってもビジネス色の強い部署だったので、状況はあまり変わりませんでした。でも、ウェルプレイドに入ったら僕以上のゲームオタク達がたくさんいて、そこがすごく心地よかったです。

クライアントともコミュニティとも、真摯に向き合い続ける

――今までWPRZTで、特に印象的だった仕事を教えてください。

まず1つは、2019年にアメリカで開催されたモバイルゲームの世界大会です。アメリカの現地スタッフと連携しながら進めた、当時社内で最も大きかったプロジェクト。入社間もなくディレクターとしてアサインされ、手探りで課題に対応していく状況でした。

そんな中、クライアントさんとのミーティングで、進捗状況について強く指摘を受けるという出来事があって。急ぎ体制を変更して僕も専任になり、そのプロジェクトのことだけを丸3ヶ月間考え続けました。そして本番前日、クライアントさんから「あれをきっかけに御社は本当に変わりましたね、すごく信頼できるようになりました」と言っていただけたんです。

僕はすごく仕事ができるわけでも、突き抜けた専門的な価値を出せるわけでもありません。でも、とにかく真摯に向き合い続けたことによって信頼を得られた。このことは1つの成功体験として、ずっと大切にしています。

もう1つは、今年7月にサービス終了してしまった『ドラゴンクエストライバルズ エース』のお別れ放送です。突然のサービス終了だったため、ユーザーも受け入れがたい空気があり、最後の区切りをつけるために、自社企画としてサービス終了前日に実施した放送でした。

ウェルプレイドは公式大会の運営にも入っていて関わりが深く、ずっと担当してきた僕としても、とても思い入れのあるタイトル。何もやらないまま終わったら絶対に後悔すると思い、低予算ながら何とか実現させて、この放送をできたことがすごく印象に残っています。

放送で使った「#ありがとうライバルズ」というハッシュタグが、サービス終了の前日にも関わらず、Twitterでトレンド入りしたりもしました。同時接続数だけでは測れない、コミュニティに寄り添ったコンテンツを作るという意味で、WPRZTらしさが表れている企画でもあったと思います。

ゲームも仕事も、あらゆる経験が結びついて今がある

――自身のどんな意識や経験が、今に繋がっていると思いますか。

まず1つには、これまでの人生でゲームをやってきたからこそ、ゲームの文脈が理解できていて、それが今の仕事に役立っているという実感があります。

それから、僕はゲームに限らずエンタメがすごく好きで、映画、漫画、音楽、謎解き、アイドル、お笑い……と幅広く楽しんできました。そのインプットの多さから、ステージや放送上での演出に自信が持てていると思います。

仕事に関しては、僕はこれまで発注する側に立つことが多くありました。なので、受注する側として、発注者にどうしたら喜んでもらえるか、いかに任せたいと思ってもらえるかを、意識できている部分はあるかなと。

あとは、特定の経験が結びつくというより、「あの時の引き出しがまた使えるかも」と、過去の経験を総動員していく感覚が強いですね。これまでのキャリアでも新しいことをやり続けてきたから、経験のない仕事に対する恐怖心がなくなったことも大きいと思います。

目指すのは、面白いコンテンツを生み出し続ける人

――WPRZTでの仕事を通じて、今後どのような人になりたいですか?

僕が大きな目標として掲げているのは、面白いコンテンツを生み出し続けられる人になることです。そのために、幅広くエンタメをインプットしつつ、自分の携わる分野としてeスポーツの制作をしていく。それらを上手く結びつけていければ、自身の成長にも繋がるし、eスポーツ業界に新しい価値を提供できるのではないかと思っています。

それに、僕自身がオタク気質なので、いろんなもののオタクが喜ぶコンテンツを作りたいという思いもあります。それは、世界中が注目する大きなイベントではないかもしれないけど、そのタイトルやIPのファンがちゃんと幸せになれるものを作りたい。だから、ファンを喜ばせつつ新しい層にも広げていけるような、ファンイベントもやりたいですね。

何かに熱中する気持ちを持つ人と、一緒に働きたい

――WPRZTでともに働く仲間として、どのような人を求めていますか?

まずは率直に、一緒に働いていて心地いい人ですね。ピリピリせず、みんなと調和できる人。WPRZTはもともと、そういう人が多い会社だと思います。

個人的に自分のチームにいたら嬉しいのは、いろんなことに気づける人。僕はきっちり抜け目なくやれるタイプではないので、そういう人と組めたら、もっと強いチームを作っていけると思います。

それから、何かに熱中している人ですね。現時点で熱中している対象が、必ずしもゲームやeスポーツである必要はありません。ただし、好きだという気持ちだけでなく、バランスが取れていることは大事です。

自分の好きな何かに情熱を注げる人は、その人だけの突き抜けた価値を発揮できる可能性を秘めていると思います。そういう人とぜひ一緒に働きたいですね。