若手を育て、eスポーツを支える存在に

小林佳世 Kayo Kobayashi

2020年入社 クライアントワーク事業部 デザイングループマネージャー

ウェルプレイド・ライゼスト(以下、WPRZT)で、デザイナーを務めるこばやんさんにインタビュー。新卒からWebデザイナーとしてのキャリアを歩み、4年前にeスポーツ業界へ。一時はeスポーツ業界から離れることも考えたという、これまでのストーリーを振り返りながら、シーンを支えるデザイナーとしての想いを聞いていきます。

デザイナーとしてのキャリアを歩む中で、eスポーツ業界へ

――現在の仕事内容や、これまでの主な経歴を教えてください。

デザイナーとして、主にeスポーツイベントの配信に必要なデザインまわり全般を担当しています。

eスポーツ業界のデザイナーとしては、今年で4年目。前職とウェルプレイド、合併後のWPRZTを入れると、eスポーツをメインとする会社での業務は3社目になります。前職では、eスポーツイベントのオフライン会場に必要な設置物やノベルティなど、アナログなものも含め、多岐にわたってデザインしてきました。

経歴としては、大学4年の時にデジタルハリウッドで1年間Webデザインの勉強をして、新卒から今までずっとWebデザイナーをしています。会社員よりもフリーランスとして働いていた期間の方が長く、2015年くらいまでフリーランスでWebデザイナーをしていました。

2015年からは1年ほど、趣味でやっていたアクセサリーの製作販売を専業にしようとチャレンジしたのですが、自分の戦略が甘いと気付いたので早々に見切りをつけ、デザイナーに戻ることにしました。。2016年に、またWebデザイナーとして会社員に戻りました。

元々格闘ゲームのプロシーンは追っていてちょうどその頃eスポーツイベントのボランティアスタッフに応募したのが、eスポーツ業界との最初の関わりですね。その後、2017年に前職への入社を決めて、そこから今に至るまでeスポーツ業界で働いています。

eスポーツに興味を持った入り口は、格闘ゲームの観戦

――どのようなきっかけで、eスポーツに興味を持つようになったのでしょうか。
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もともとゲーム実況を見るのが好きで、アクセサリーの製作をやっていた頃、手を動かしながらよく動画を見ていたんです。その時、好きな実況者さんが、ウメハラさんの名前をよく挙げていたんですね。

誰だろうと思って調べてみたら、格闘ゲームのプロだと知って。プロとして活動している人たちがいるんだと興味を持って、いろんな格ゲーマーの個人配信を見に行くようになったんです。そこから、どんどん大会を見るようになっていき、海外大会を夜通し見たりもするようになりました。

自分ではプレイしないのですが、格闘ゲームを見るのが好きなんですよね。自分も昔『ストリートファイターII』を触ったことがあるから、それがシリーズで今も続いていて、しかもそのプロがいるというのが面白いなって。それに、ウメハラさんは自分と歳が近くて、「同世代で頑張ってる人がいるんだ」と思う気持ちもありました。

ウェルプレイドが合わなければ、別の道を考えていた

――ウェルプレイドへの入社を決めた理由や経緯を教えてください。

前職では、ビッグタイトルの大会に携わる機会もあり、2年働いて実績も積んだので、他社も見てみるタイミングかなと思ったんですね。そしたら、ちょうどウェルプレイドがいろいろな職種の募集を出しているのを見かけて、まずは話を聞きに行くことにしました。

実はその時、ウェルプレイドが合わなかったら、もうeスポーツ業界で働くのはやめようと思っていたんです。eスポーツ業界はまだ新しく、どうしても環境的にいろいろと整っていないところがあります。東京にはデザインに特化した会社がたくさんあるので、別の道に行くことも視野に入れていました。

でも、当時のウェルプレイドのオフィスに行ってみたら、みんな和気あいあいと楽しそうに働いていて、とても雰囲気が良かったんですよね。

採用面談でも、代表のアカホシさんとぽれさんが格闘ゲームをやっているから、話がすごく盛り上がったんですよ。私は時間さえあれば配信を見ていて、結構マニアックな番組も知っていたので、「あれも見てるのはすごいね」と驚かれたりして(笑)。

そういった一連の流れの中で、ウェルプレイドの空気が自分に合っていると感じて、入社することを決めました。

回を重ねるごとにアップデートし、より良いものを作る

――WPRZTで今まで、特に印象的だった仕事を教えてください。

2020年8月から10月にかけて、Mildomで配信されていた『VALORANT』の招待制リーグ「VALORANT Mildom Masters」ですね。プロ8チームを招待して、オンラインで毎週開催されていた大会です。

(配信の様子はこちらから)

この大会には、デザイナーとしても関わっていたし、当日はテロッパーとしても稼働していました。単発のイベントや大会の仕事も多い中、2ヶ月にわたって毎週続く仕事だったので、特に印象に残っています。

当時は『VALORANT』がリリースされて間もない頃で、あちこちで大会が開催されていた時期。ゲーム公式のブランドガイドラインに沿ってデザインすると、色使いなどトンマナがどうしても似てしまいます。その中で、他大会とどう差別化していくかを考えながらデザインしていました。

さらに、デザイン以外のところでも、この大会ならではのユニークなポイントを作りたいということで、いろいろと工夫を凝らしていて。試合中に活躍した選手のTipsを出すのもその1つで、選手たちからもらった内容をもとに、毎週テロップを仕込んだりしていました。

大会期間中、同じメンバーで取り組んでいると、チームの結束力が上がっていくんですよね。みんな向上心があってストイックで、「次はここをもっとこうしよう」と話し合って、すごく良い形で仕事ができたと思います。

ただ同じことを続けるのではなく、1回目が終わったら、2回目はもっと良くしていく。そうやって、回を重ねるごとにアップデートしていく実感を得られたところが、印象に残っている大会ですね。

若手を育てつつ、裏方としてシーンを支える存在に

――WPRZTでの仕事を通じて、今後どのような人になりたいですか?

若手に教える側の立場でもあるので、「この人の背中を追えば大丈夫」と思われる存在でいたいですね。デザイナーとしてだけではなく、人間としても。

WPRZTに入ってくる人の中には、ゲームがすごく好きだけど、働くことがあまり得意ではないという人も、たぶんいると思うんです。でも、社会人として一人前に成長していってほしいから、そういう人たちのことも支えていきたいですね。

イベントや大会においても、デザイナーはあくまで裏方であって、目立つべきは選手たち。デザイナーの名前は出ないことも多いですが、私はそこにこだわりはありません。これからも続いていくeスポーツシーンを、裏方としてしっかり支えていければと思います。

ともに働く仲間に求めるのは、自ら学び続ける姿勢

――WPRZTでともに働く仲間として、どのような人を求めていますか?

任された仕事は責任を持ってやり切るなど、社会人としてのベースの部分はもちろん大事だと思います。その上で、自分は仕事人間なので、同じくらい仕事に熱量がある人だと共感しやすいですね。

例えば、普段からトレンドを追ったり、いろいろなeスポーツ大会の配信をチェックしたり。それも、人に言われたからやるのではなく、いかに自分から勉強しようという意識があるかに、その人が熱量が表れると思います。

デザイナーにとっての勉強は、一生終わらないもの。優秀なデザイナーほど、まわりが遊んでいる時間に牙を研いでいます。ストイックに自ら学び続ける姿勢を持っている人と、一緒に働きたいですね。