技術として「Show Must Go On」を実現する

柴田聡 Satoshi Shibata

2018年入社 クライアントワーク事業部テクニカルグループマネージャー

ウェルプレイド・ライゼスト(以下、WPRZT)で、テクニカルディレクターを務めるバティさんにインタビュー。イベント映像技術に携わるキャリアを経て、現在はeスポーツイベントを技術で支える立場へ。自身のこれまでの知識や経験をどのように活かしているのか、具体的なエピソードを踏まえて聞いていきます。

イベント映像技術を学んだ後、ウェルプレイドへ入社

――現在の仕事内容や、これまでの主な経歴を教えてください。

現在はテクニカルディレクターとして、eスポーツイベントの配信や現場の技術まわりを担当し、機材の手配や設営、オペレーションなどを統括しています。加えて、配信画面のテロップやスコアボードなど、デザインを担当することもあります。

主な経歴としては、地方のスーパーに新卒で入ったものの3ヶ月で退職。Webエンジニアの仕事に憧れて上京したのですが、なかなか内定が取れず。学生時代に音楽をやっていたので、技術系の仕事を紹介され、コンサートなどのイベント映像技術を手がける会社に入りました。

その会社で5年ほど映像技術を学んだ後、しばらくはフリーランスでレーザー演出の仕事をしていました。レーザー演出というのは、コンサートやクラブイベントで曲に合わせて盛り上げる、あのレーザーのことですね。

ただ、もっとスキルの幅を広げたいと思うと同時に、憧れていたWebエンジニアの仕事にも未練があり、イベントとWeb系の両方に展開しているカヤックへ入社しました。そして、ウェルプレイドとの協業案件で、デザイナーのAkiさんと出会って意気投合。その出来事をきっかけに、2018年にウェルプレイドへ入社しました。

――ウェルプレイド入社前に、eスポーツに触れたことはありましたか?

実は、フリーランスでレーザー演出の仕事をしていた頃に、RIZeSTが関わるeスポーツ大会制作の仕事をしたことがあります。2016年頃の話です。

試合前にDJが盛り上げるコンテンツがあり、そこでレーザーを使った演出があったんです。僕がeスポーツの大会を見たのは、その時が初めてでした。

もともとゲームは好きでやっていたのですが、そこでプロゲーミングチームの存在を知って、「ゲームでプロという世界があるんだ」と驚きました。意外なところで一緒に仕事をしていたことになりますね。

こだわりのコンテンツを作る、ウェルプレイドの熱量を感じた

――ウェルプレイドへの入社を決めた理由について、くわしく教えてください。

もともと僕は受託の仕事をメインとする会社にいたので、クライアントさんからの要望をいかに実現するかというマインドで、ずっと仕事をしてきていました。でも、Akiさんにウェルプレイドの話を聞いたとき、僕にはない提案型の働き方をしていると感じたんです。

言われたことをただやるのではなく、「こうしたらもっと盛り上がる」とか「選手のためにもっとこうしよう」と、こだわり抜いたコンテンツを作っている。そこにすごく熱量を感じて、僕もそういう気持ちになれる仕事がしたいと思いました。それが、ウェルプレイドに入社を決めた理由ですね。

当時のコンテンツの例を挙げると、自社で開催している「ウェルプレイドリーグ」で、『クラッシュ・オブ・クラン』の公認リーグをやっていて。小さなスタジオなんですが、セットもすごく凝って作られているし、カメラの台数も多くクレーンまで使っています。

演出も技術的にかなり挑戦していて、2018年の配信とは思えないくらい。この番組をすべて自社で完結して作っていて、クオリティの高さに驚きました。

知識と経験を活かし、携わった「REDEE」のオープン

――WPRZTに入って、特に印象的だった仕事を教えてください。

2020年3月にオープンした、大阪にあるeスポーツ施設「REDEE」の技術設計です。「REDEE」は元となる施設がすでにあり、そこをeスポーツ施設に改修するという計画で、ウェルプレイドは監修として入りました。

僕は技術担当として、機材の手配や設計をするだけだと思っていたのですが、美術や施工など、専門的な各チームとのあらゆる調整を任されることになったんです。機材のことだけでなく、美術、電気、ネットワークなど、かなり幅広い知識が必要とされる立場でした。

初めて経験することもたくさんありましたが、そこで役に立ったのはイベント映像会社にいた頃の知識。施工会社の方々とも連携が必要だったのですが、知識があったおかげで認めてもらえて、スムーズなやり取りに繋がった場面もありました。

会社としても、こうした施設を作るというのは初の試みでしたし、ウェルプレイドも関わっていると打ち出している以上、良いものを作らなければいけないというプレッシャーもすごく感じていました。これまで体験したことのない規模の仕事だったので、印象に残っていますね。

幅広く触れてきたものの知識が、今に繋がっている

――自身のどんな意識や経験が、今に繋がっていると思いますか。

やはり1番大きいのは、イベント映像会社での経験だと思います。あくまで自分は映像を担う立場でしたが、他のセクションとの関わりもあって、直接学んだわけではなくとも、現場で全体像を見てきていました。

例えば、その作業をするにはどんな資格が必要なのか、その施工にはどれくらいの時間がかかるのか、誰がどういう順番で現場を組み立てていくのか、というようなことですね。

あと、もともと大学でバンドをやっていて、素人ながらサークル内でPAをやっていたので、音響系の知識もありました。これまでに幅広く触れてきたものの知識が、今に活きていると思います。

技術として「Show Must Go On」を実現する

――仕事をしていて、最もやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?

何事もなく配信が終わったときですね。テクニカルディレクターとして、トラブルなく配信を行えるようにするのが僕の仕事です。やむを得ない機材トラブルもありますが、準備すれば防げることもあるので、さまざまなケースの対応を想定しています。

意識しているのは、「Show Must Go On」。Queenの曲で有名ですが、「一度始まったら、何があっても止めてはならない」という意味で、ショービジネスの世界でよく使われる言葉です。

まさにこの言葉のとおり、イベントの舞台裏で技術に携わる人間として、何があっても配信を止めてはならないという思いがあります。なので、滞りなく無事に配信が終わったとき、1番やりがいを感じますね。

新しい技術を取り入れながら、より大きなチームへ

――WPRZTでの仕事を通じて、今後どのような人になりたいですか?

自身がどうなりたいかと言われると難しいのですが、技術チームをマネジメントする立場になって思うのは、新しい技術や安定的な技術をもっと取り入れていきたいということです。

自社だけにとどまらず、新しい技術に対応できる外部パートナーとも連携して、チームを大きくしていきたい。さらに言えば、チームをより拡大するために動くメンバー、つまり僕のような動き方をする人を増やしたいと考えています。

新しい技術というと、例えば「ウェルプレイドリーグ」でもARを使った演出などを取り入れていますが、安定性もクオリティもまだまだ改善の余地があります。

選手や視聴者が求めているかとか、コストパフォーマンスはどうかとか、そういう話もありますが、技術というのは「もっとこうしたい」というエゴから発展していくものだと思っているんです。なので、そういう新しい技術に積極的にチャレンジする人を、もっと増やしていきたいですね。

あと、僕としてはもっと照明にもこだわりたくて。もちろん大きな会場であればしっかりと照明が入っていますが、こじんまりとしたセットでも上手く照明を使いたいなと。ただ全面が明るいだけじゃなくて、演者さんは明るく映しながらも、ダークな感じだったりネオンな感じだったり、雰囲気のある照明を作りたいと思っています。

最近の例で言うと、「#コンパス×ウェルプレイドリーグ」のスタジオ。これはすべて美術セットでできていて、技術チームが3DCGでデザインして美術さんに発注しています。このセットは、後ろに白いカーテンをひいて、ゲームのメインキャラクターをイメージした青い照明を入れているんですよ。最近はこういったところから、少しずつ挑戦しています。

求めるのは、新しいものへのアンテナと仲間へのリスペクト

――WPRZTでともに働く仲間として、どのような人を求めていますか?

新しい技術やガジェットが好きで、そういうものに常にアンテナを張っている人ですね。例えば、「GIZMODO」「GIGAZINE」をチェックしているような人は、話が合うと思います。

それから、WPRZTは中途入社のメンバーが多く、いろいろな技術や能力を持った人が入ってきています。お互いに補完し合って力を発揮していくべきだと思うので、そうした仲間に対して純粋にリスペクトの気持ちを持てる人がいいですね。